サインはいつも輝いている
◇加藤良三(かとう・りょうぞう)さん(66)
「外務省のエース」から「日本球界のトップ」へ--。18日に行われた就任会見で子供のころ、父が手に入れた川上哲治さん(巨人)のバットを持参した。「数ある野球グッズの第1号。55年、川上が3割3分8厘で首位打者を取った最後の年です」。すらすらと選手のデータが出てくる。
終戦直後。疎開先の秋田で、野球好きの兄からその魅力を教え込まれる日々を過ごした。草野球でボールを追い、苦難の時代を救われたという。
駐米大使時代には、公邸にサイン入りボールやバットなど100点を超す収集品を展示し、野球を通じて日米関係を深めてきた。だから「野球に恩返しがしたい」と就任を決意した。
米大リーグのテキサス・レンジャーズのオーナーだったこともあるブッシュ大統領から、「君はニューヨーク・ヤンキースのファンだろう」と突っ込まれ、「いえ、野球ファンです」と切り返したことも。長嶋茂雄・元巨人監督が大好きで、現役時代の各シーズンの打率や本塁打数を暗記したほどというから、筋金入りの野球好きというほかない。
「日本の野球を元気にすることがあればやっていきたい」。大使時代、7度も米国で始球式を務めた。舞台を日本のプロ野球界に変え、どんなボールを投げ込むのか、楽しみだ。<文・村田隆和/写真・小出洋平>
毎日新聞
サインてよく子供の頃考えたよなぁ
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